2020年12月17日第1回口頭弁論期日 報告

2020年12月17日、第1回口頭弁論期日を迎えました。最後の打合せとなる12月2日の事務局会議で、都内の新型コロナウィルスの感染拡大の状況により、全国各地だけでなく都内や近隣からの参加を呼びかけることについて協議し、急遽オンライン集会に変更となりました。ハガキやメールなどで原告や支援者のみなさんにはお知らせをしましたが、連絡が届かず当初予定されていた会場に足を運んでくださった方には大変なご迷惑をお掛けしましたこと、お詫びいたします。
 当日は樋口英明氏講演会から始まり、東京地裁前集会、裁判、また裁判並行集会としての「リレートーク」、そして裁判報告会という流れでした。法廷で陳述された河合弘之弁護士の「本裁判の骨格」、岩田雅一・中嶌哲演共同代表の原告意見陳述を添付します。また、参加者や担当者からの報告もご覧ください。

■宗教者核燃裁判第1回口頭弁論期日報告

□樋口英明氏講演会:事務局・立田卓也
 大飯原発運転差止訴訟で原告勝訴の判決を出した元裁判長樋口英明氏の解説は明快で、原発を2つの危険性<事故発生確率、事故が起きた時の被害の大きさ>の点から判断すれば、それが高いこと(それは推進側も分かっていた論理でした。)。いわんや再処理工場をや。科学とは、仮説ではなく事実の積み重ねであり、耐震性の実験など出来ない原発への地震の将来予測は極めて難しいこと。宗教も科学も、専門性や難解さをして特定の人間にしか利益の無い“神話”を作り出すのではなく、「国富」に認められるように、生きてきた人々が積み重ねてきたものを大切にする。そして原発や核廃棄物は、今を生きる全ての人に関わる事柄として伝え、責任を負っていくこと。今日の話をあなたの大切な人に伝えて欲しい、宗教者である皆さんはその大切な人は多いでしょう、と講演会の最後に樋口氏から投げられ、私たちの隣人性が問い直されています。

□東京地裁前集会と法廷内報告:原告・栗原茂さん
 東京地裁前、今日は宗教者核燃裁判第一回口頭弁論の日でした。寒風が吹き曝す路上で入廷前の集会、マイクを持つのは原告共同代表の中嶌哲演さん(僧侶)と岩田雅一さん(八戸北伝道所牧師)さらに弁護団弁護士の一人、井戸謙一さん(原発再稼働差し止め判決を下した元裁判官)です。傍聴券の抽選発行は、コロナ禍のために制限されて33枚、並んだ傍聴希望者は凡そ65人、私は生憎と、くじに外れましたが原告のひとりなので、譲っていただいた傍聴券で入廷しました。
開廷後、冒頭が中嶌哲演さんと岩田雅一さんお二人の口頭弁論、ついで弁護団代表の河合弘之弁護士による今回の裁判の骨子についての熱弁►これは立ち上がった日本の宗教者による裁判であること、►裁判所は学界ではないので、未成熟かつ難解な科学論争はしないこと、►もっぱら中学生でもわかる言葉、地に足の着いた言葉で、原発がいかに危険で、基本的人権を侵害するか、さらに未来永劫、負の遺産を背負い込むことになるか、その理由を、明白に論証する。と述べられました。結びに、裁判官の3重苦(任期3年、文系、超多忙)にまで、触れられたのは意外で、耳のある人には、おかしみを誘ったのではないかと思いました。法を裁くのは、裁判長:加本牧子、裁判官:岩田真吾、矢崎達彦、書記:佐藤秀樹の各氏です。
裁判官といえどもはっきり言って原発に関しては「素人」だと言っていいと思います。出廷後、壁にはりだされている裁判官の名前をわざわざ書き留めてもち帰ったのは、裁判長が、従来の肩書のある学者の見解等には、迎合する誘惑に陥らないように、原発の基礎を、初歩からしっかりと理解され、たとえ国策であろうと、命を繋ぐ権利に対して、明快で勇気ある結審を導き出してほしいと強い期待と願いをこめてのことでした。いわずもがなですが、三権分立、司法は、市民の最後の砦ですから。

□リレートーク:事務局・片岡輝美
 裁判と並行して行われたリレートークには11名と裁判終了後、裁判報告集会に加わった2名が参加。5分程度の持ち時間で自己紹介と「宗教者核燃裁判への期待」を語り合いました。本裁判を生み出した原子力行政を問い直す宗教者の会の事務局でもある原告からは「ここに到達すべくして、これまでの歩みがあった」との思い、物理が苦手であるため「他の誰かがやってくれるだろう」と思っていた原告は、「説明ができないことを、なぜ続ける?」との疑問から自分のできることとして裁判に加わる決意を語ってくださいました。「他者を踏みつけての平和はない」「いのちを継いでいくための裁判」との思いが発せられ、言葉と行いに生きる宗教者信仰者たちの対話がこの裁判を形作り、方向を定めていくと確信した時間となりました。

□裁判報告集会:事務局・内藤新吾
 第1回口頭弁論期日と記者会見を終えたあと、共同代表の中嶌さん岩田さん、弁護団長の河合さん、弁護士事務所秘書の松田さん、原告団事務局の大河内さんと私・内藤、それから記者会見のとき部屋の入口あたりで待ってくださっていた原告および支援の方々と共に、それぞれタクシー乗り合せにて、数分ほど離れたところにお借りした大河内さんと同じ宗派のお寺へ向かいました。一日、長丁場であったにもかかわらず、記者会見に続き報告集会にも午前の講師・樋口先生が来てくださったのは、ほんとに感謝でした。記者会見のときと同じように、報告集会でも、共同代表と弁護団長が地裁で語った要旨を皆に伝えたあと、私たちの訴状の中でも大きな柱の一つとさせていただいた「樋口理論」(弁護団と私たちとでそう名付け、用いた)について、御本人からもコメントをいただきました。
それで、改めて確信したのは、私たちが提訴にこの理論を用いたことは、裁判官だけでなく世間の人たちに向けて、地震大国日本で原子力施設・特にも六ヶ所再処理工場がいかに危ないかということを示すのに、これほどわかりやすい明快な一手はなかっただろうことでした。会場やオンラインとの意見交換も行ない、熱気に包まれた報告集会は時間の過ぎるのもアッという間で夕暮れとなり、それぞれの帰路につきました。

■第1回口頭弁論期日の報道

東京地裁司法記者クラブ記者会見 撮影:フリージャーナリスト・稲垣美穂子さん

仏教タイムス2021/1/1「宗教者核燃裁判初公判 放射性廃棄物 将来に残すな!命をつなぐ権利主張」 http://www.bukkyo-times.co.jp/backnumber/backnumber.html

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